Classici giapponesi con furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Leggi 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.586 caratteri · 348 schermate
是は観察者の見落しと言わんよりも、むしろ漢語でばかり物を考えようとした弊であろうと思う。例えば稲作作業の一季の結末を、もとは日本語で何と謂ったか。こういう知れ切ったような問題を出してみても、今ではちょっと手短かに答えることがむつかしいのである。耕す人々の生涯においては、是は何よりも重要な一つの区切りであった。暦書が大陸から渡ってこなかった以前には、年の境は稔りをもって目標としたろうとも言われている。近代においても必ず感謝の祭があり、また家々の饗宴があった。定まった名称なしに、空過することのできぬ日であった。カリアゲというのが最も普通に行われた古い日本語であったらしい。苅上げ祝といいもしくは苅上げ盆という語も行われており(『富山市近在方言集』)、現にこの日をもって一応小さな祝をする風習も各地にある。すなわちかつては水田の生産が、苅取りをもって終りを告げた時代のあったことを意味する言葉である。大宝令の時代の分配は稲束をもってした。租稲はもとより正税出挙の出納までが、ことごとく何束何把をもって計算せられたのは、穎すなわち稲の穂の運搬と貯蔵とが、普通であった証拠である。