Classici giapponesi con furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Leggi 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.586 caratteri · 348 schermate
五
色々柔かい食物が増加したためばかりでもないらしい。種蒔きと苅掛けの日の焼米だけは、まだ型ばかりは残ってもいるが、生米をつかんで口に入れるようなことは、生米噛むべからずという戒めが無くとも、もう田舎でも見ることが稀になった。こうなれば生の粢を神様だけに上げるのが、むしろまた一つの疑問になろうも知れぬ。
五
シトギという語には、現在はいくつかの方言ができている。飛騨では何というか尋ねたいと思うが、信州から越後の方へかけては一般にカラコまたはオカラモチといい、美濃から東海道一帯はシラコモチ、その附近ではまたシロモチというのが普通だから、多分この二つのいずれかだろうと思う。白餅というのは誠によく当っている。こういう色をしたものは他の餅類には無いからである。これをこしらえるのは旧十月の神送り、冬春両度の山の神祭の時などで、家々の楽しみだけには作るということもないが、小児は好奇心が多いから決して軽蔑せず、今でも口を白くしてその供物の卸しを食べまわっているという話も聴いた。しかし大抵の成人はそれを持って還って、焼いたり煮たりして食べる。奥羽にはシトギという語がなお行われ(アイヌ人もシットギ)、またナマストギ・ニシトギという言葉もよく聴くから、或いは尋常の食物としてもこれを製することがあるのかも知らぬが、その他の地方では