Classici giapponesi con furigana
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かきのたね
柿の種
寺田 寅彦
Leggi 柿の種 (かきのたね) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.202 caratteri · 139 schermate
「ボウヤ」は、この「オジサン」が来ると、喜んでいっしょについてあるくのである。
今年の立春の宵に、外から帰って来る途上、宅から二、三丁のある家の軒にうずくまっている大きな白猫がある。
よく見ると、それはまさしくわが親愛なる「オジサン」である。
こっちの顔を見ると、少し口を開いて、声を出さずに鳴いて見せた。
「ヤア、……やっこさん、ここらにいるんだね。」
こっちでも声を出さずにそう言ってやった。
そうして、ただなんとなくおかしいような、おもしろいような気持ちになって、ほど近いわが家へと急いだのであった。
淡雪や通ひ路細き猫の恋(昭和五年三月、渋柿)
猫の挿絵
*
桜の静かに散る夕、うちの二人の女の子が二重唱をうたっている。
名高いイタリアの民謡である。遠い国にさすらいのイタリア人が、この歌を聞くときっと涙を流すという。
今、わが家の子供らの歌うこの民謡を聞いていると、ふた昔前のイタリアの旅を思い出し、そうしてやはり何かしら淡い客愁のようなものを誘われるのである。
ナポリの港町の夜景が心に浮かぶ。
朧夜を流すギターやサンタ・ルチア(昭和五年五月、渋柿)