Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

えいぞうのし

栄蔵の死

宮本 百合子

Leggi 栄蔵の死 (えいぞうのし) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.295 caratteri · 77 schermate

Aozora Bunko

どうぞ、たのんますさかい、優しゅうしてやって下さい。

私が目でも見えてどしどし稼げたら、何ぞの事も出来るやろが、もう廃人なんやから、お君は、貴方ばかりをたよりにしとるんやさかいなあ。

此女も、親子縁が薄うおすのや。

と哀願する様にたのんだ。

チラッとお君の顔を見て、軽い笑を口の端の辺にうかべながら、

「ええ大丈夫です、

御心配なさらずと。

とうす赤い顔をして返事をするのを見てお君は、そうやって、たのまれてくれるのも夫なればこそ、ああやって頼んでくれるのも親だからこそと、しみじみ嬉しい気持になって居た。

恭二と栄蔵とは、お君を中にはさんで、両側に、ねそべりながら、田舎の作物の事だの、養蚕の状況などについて話がはずんだ。

そう云う事に暗い恭二が、熱心に、

「そうすると、どうなるんです?」

などと、深く深く問うて来るのを、説明するのが栄蔵には快よかった。

折々、

「な父はん、私も。

などと、自分の病気についての事を云い出したい様にして居たけれ共、栄蔵は、種々な話に紛らして、一寸の間も、否な話からのがれて居たがった。

お君にあれこれ云わないでも、もう心の中はその心配で、一杯になって居る。