Classici giapponesi con furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate
「あ!」
丹尾は黒眼鏡を外し、とんきょうな声を立てた。丹尾の体から酒のにおいがぷんぷんただよっている。五郎は言った。
「また逢ったね」
「あんた、まだ生きてたんですか?」
君はまだ生きていたのか、と彼は反問しようと思ったがやめた。
「生きているよ。おれに死ぬ理由はない」
「では枕崎でぼくをすっぽかして、どこに行ったんです?」
「坊津に行ったよ」
「おかしいな」
丹尾は首をかしげた。丹尾の顔は疲労のためか、酔いのせいか、四日前にくらべると、すこし憔悴し荒んでいた。
「坊津の宿屋に電話したんですよ。するといなかった」
「電話のあとに到着したんだ。面倒だから、君んとこに連絡しなかった」
丹尾は返事をしないで、彼の顔をじっと見ていた。少し経って、かすれた声で言った。
「散髪しましたね。しかしあんたはなぜ東京から、枕崎くんだりまでやって来たんです」
「君には関係ないことだよ」
以前にも同じ質問を受け、同じ答えをしたような気がする。
「君はケーブルカーに乗るんだろ」
「どうしようかと、今考えているところです」
丹尾はトランクを下に置いた。
「来る時の飛行機のことを考えていたんですよ。