Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate
女中が声をひそめた。
「ずっと泣きつづけよ。枕許から離れないのよ」
「仲が良い、あの人達は特別だったから」
「そうよ」と女中が勢いこんで猫のような声を出した。
「電話などかけ合う時、ほんとに楽しそうなのよ。着物もお揃いでつくるし、どこにも一緒に出かけるし――わかるわ。あの気持」と手で胸を押えて、「同性愛というものでしょうねえ」
蛇の肌をぬらぬらこすりつけられたような気がして、私はぞっとして女中の顔をみた。卑しむべき痴呆の臭いがした。居ても立っても居られないような気になってもじもじして居ると、白眼勝ちの視線を中にただよわせて胸をおさえていた女中が、私に気が付いたと見えて、あらあらお酒、と私の盃に酒を満たした。何だか酒に脂が浮いて居るような気がする。私は目をつむって飲みほした。
がやがやとざわめきが高くなった。向う側に並んでいる連中も毛ずねを出したり、掌をひらひら動かして議論をしていたりして、取りとめも無い有様になって来た。すみではおばさんが盃を取ったり返したりして、飲んで居る様子であった。あのおばさんは此処の親類かしら。私の所からは、いくつもつぎをあてた茶色の靴下がマントの裾から出ているのが見える。