Classici giapponesi con furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate
そのような瞬間に必ず宇治は漠然と花田中尉のことを考えているのだ。考えるというはっきりしたものではなく、言わば意識の入口にぼんやり立つ花田の像を眺めていた。花田は此の旅団が久留米で編成されて以来の、数少ない彼の僚友のひとりであった。――
南口の此の部隊はまだまだ良かった。北口の情況はもっとひどかったのだ。北呂宋の穀倉と言われる此の盆地を確保することは持久戦を続けるために絶対必要なことである。此処を失えば全員山中に追い込まれて餓死の他はない。南口の戦況はさほど活発ではなかったが、米軍は北口からじりじりと侵入を続けていた。北口を扼する一箇大隊の将兵は、昼間は個々の蛸壺に身をひそめ、身体をかがめて自らの口を充たすべき籾を搗き、夜に入れば初めて地上に出て戦った。しかし精神力だけでは米軍に敵し切れなかった。もはや米軍を圧倒することは夢であった。ただ持久の態勢を持続し内地戦力の充実を待つ、此れ以外になかった。比島戦局に充てるため内地では航空機二千余機を東北地方に既に集結したと言う噂を、兵たちは半ば信じ半ばうたがっていた。此のような状態になっても何故日本の航空機は飛ばないのか。