Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate

Aozora Bunko

「さよう」と甲斐はあいまいに云った、「聞いたようにも思うが、はっきりした記憶はありませんね」

「私は覚えています、私にとっては忘れることのできない言葉ですから」と新左衛門は云った、「私は国老をお受けするに当って両後見に三カ条の誓紙を求めるつもりです」

「ほう」と甲斐が云った。

「念のために聞いていただきましょう」

新左衛門はこう云って、ふところから紙に書いたものを出し、それを披いて読んだ。

一、忠言あらば卑賤の者たりとも採用すべきこと。

一、親疎によって賞罰を軽重せず、阿諛の者を大敵とすること。

一、両後見、互いに隔心なきこと。

そういう意味のものであった。

「なるほど」と甲斐は欠伸でもするように云った、「それで、その誓紙を、なにかの役に立てようというのですか」

「三カ条の文言は、解釈によって重い意味をもたせることができる、これを取ることができれは、事のあったばあい一ノ関をしめあげる役に立つでしょう」

「私にはそうは思われないが」と甲斐は呟いた、「しかし、貴方がそう決心されたのなら、とめるというわけにもゆかぬでしょう、ただどうか穏やかにやって下さい」

そして甲斐は鈴を振った。