Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate
十左衛門は低く呻いた。
「双方に打たれた手は、ほぼ予想どおりにはこんだ」と甲斐は云った、「一ノ関は三十万石の欲に釣られて、次つぎと家中に紛争を起こした、われわれは某侯の忠告に縛られていて、一門一家のうちどの人が加担しているかわからず、したがって根本的な対策がとれない、いつも後手、後手と追われるよりしかたがなかった」
「しかしそれで」と十左衛門が乾いた声で問いかけた、「それでいったい、酒井侯はなにを得ようというのですか」
「まえに云ったとおり、仙台六十余万石の改易だ」
「この泰平の世にですか」
「権力は貪婪なものだ」と甲斐は答えた、「必要があればもとより、たとえ必要がなくとも、手に入れることができると思えば容赦なく手に入れる、権力はどんなに肥え太っても、決して飽きるということはない、慶長以来、幕府がどういうふうに大名を取潰して来たか、いかに無条理で容赦がなかったか、ということを考えてみるがいい、――こんどの場合も、酒井侯ひとりの思案ではなく、首謀者はおそらく伊豆守信綱と思われる、酒井侯は亡き伊豆守の遺志を継いだものであろうし、ここでもし伊達家改易に成功すれば、加賀、薩摩にも手を付ける事に違いない、少なくとも、二大雄藩の頭を押えるだけの収穫は充分にある、そう思わないか」