Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate
外記は温厚な人で、そういうとりなしはうまくなかったが、妻女はそれを充分に補っていたし、玄四郎をひきたてる接待ぶりはみごとなものであった。
茶菓を出すとすぐに、妻女は微笑しながら、太田弥兵衛からなにか話しがあったろう、ときりだした。彼女の話しぶりはちょっと変っていて、右の言葉を次のように云うのであった。
「話しがあったでしょう、なにか」とここでいちど区切るのである、「このあいだ、太田弥兵衛どのから、そうでしょう」
「ありました」と玄四郎は答えた。
「構いませんよ、少しも、断わったって」と妻女は云った、「わたくしは嫌いです、縹緻じまんで頭のよすぎる女は、とのがたのためにもよくありません、少しのろまでも愛情のある娘ですよ、妻に選ぶのならね、わたくしは主人に済まないと思っています、こんな可愛げのない、ぱさぱさした女を妻に持って、本当ですよ、わたくしたち夫婦がいい証拠です」
「それは少し違うと思いますが」
「わかっています仰しゃらなくっても、あなたの云おうとすることはね」と妻女は昂然と微笑した、「こんな話しを始めたのは、あなたにうかがいたいことがあるからなんです、どうか忘れて下さい、わたくしたち夫婦のことなどは。