Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

「その作法には及ばぬ、すぐに申せ」

――おそれながら、まえもってお願い申しました、小姓頭人増しのことにつき、御意を得たき儀があって参上つかまつりました。

「それはすでに国老がとり計らったであろう」

――いや、私と各務采女とに、二十人扶持ずつの増し御合力がございました。

「それでは不足か」

――小姓頭は四名、大町松左衛門、渋川助太夫、各務と私とでございますが、いずれも家禄が低く、一年代りに江戸番を勤めますことは困難なため、二人増して頂いたうえ、二人ずつ三番に勤められるようにと願い出たしだいでございます。

「さればこそ、家禄の低いそのほうら二人に、増し合力をしたのだ」

――その御配慮はかたじけのうございますが、家中では、増し御合力を目的に人増しを願い出たのだと申し、特に私は、一ノ関さまの依怙に頼っている、と非難されております。

「おれに依怙があるとは」

――万治三年のことをさしていると思われるのです。私が渡辺七兵衛らと共に、綱宗さま側近の奸物を斬って御詮議にかけられましたとき、御屋形さまお一人が私どもを庇護されました。

「あれは当然なことだ」

――家中にはそう思わぬ者が多いようでございます。