Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
来年は僕らが五年生だからね。」
と、今度は伝統尊重論があらわれて来た。
「そんな馬鹿なことがあるもんか。われわれの護りたいのは正義だ。正義のあるところには必ず秩序が保たれる。正義は秩序に先んずるんだ。」
「秩序を破って、正義がどこにあるんだ。」
そこいらまでは、さほど真剣だとも思われなかった議論が、当面の問題をはなれて次第に観念的になるにつれて、かえってみんなの調子が烈しくなって来るのだった。
大沢は、しばらくは、にこにこしてそれを聴いていたが、そろそろみんなが喧嘩腰になって来たのをみると、だしぬけに怒鳴った。
「よせ! そんな議論をしたって、なんの役に立つんだ。」
それから恭一の方を見て、
「本田はどうだ。四年生にバックしてもらいたいのか。」
「僕は、いやだ。」
恭一は、唇のへんを神経的にふるわせながらも、きっぱりと答えた。
「そうだろう。僕も四年生全体の名でバックするのは不賛成だ。」
大沢はゆったりとそう言って、みんなを見まわした。
「どうしてだい。」
と、最初の提案者が、ちょっと間をおいて、たずねた。それはいかにも自信のないたずねようだった。
「本田の弟を侮辱したくないからさ。