Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.724 caratteri · 355 schermate
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そう思うと、彼は何か秘密な会合にでも臨んでいるような気になり、一瞬、息をつめ、先生のつぎの言葉に耳をそばたてながら、みんなのそれに対する反応を読もうとして、眼を八方にくばった。
先生は、しかし、次郎の予想に反して、そうした現実の問題には何ひとつふれず、ごくあっさり話を片づけてしまった。
「時代がいい方に向いていないということについては、いろいろ説明しなければならないこともあるが、今夜は私はそれについて何も言いたくない。言ってもどうにもならないことだし、言わなくても、いすれは諸君が身をもって体験することだと思う。」
次郎は「おや」という気がして、もう一度先生を見た。先生も、ちょうどその時、次郎の方に視線をそそいでいた。
「しかし、――」
と、先生は次郎から眼をはなし、
「念のため、ただ一ことだけ言っておきたいことがある。それは、国民の良心が完全にねむらされる時代が来るということだ。このことは、或いは国民の多数が気がつかないでしまうかも知れない。諸君もよほどしっかりしていないと、恐らくそれに気づかないでしまうだろう。それは、悪い時代のいろいろの現象に逐いたてられて、国民の頭が、自分でも気づかないうちに狂ってしまうからだ。