Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.724 caratteri · 355 schermate
どうだい、わざわざ学校まで行かんでも、わしの家に来ては。学校ではもうお茶ものめんし、それに今頃は小使が職員室を掃除しているころだろう。」
次郎は、少佐が何で自分をそれほど自宅につれて行きたがるのか、わからなかった。それには何かいやしい魂胆があるのではないかと思った。で、是が非でも学校に引きかえしたいという気でいた。しかし、また一方では、皮肉とも好奇心ともつかぬ一種の感情がうごいていた。それに、自分がもし近い将来に、学校革新のために戦う機会が来るとすれば、少佐が何を考え、何を生徒に要求しようとしているのか、その本心を出来るだけくわしく知っておく必要がある。それには自宅に行ってゆっくり話す方がいいのかも知れない。そんな気むした。彼は、そうした考え方に何か不純なものを感じながらも、つい答えてしまった。
「お宅がそんなに近いなら、行ってもいいんです。」
「来てくれるか。」
少佐は歯をむき出してにやりと笑った。そして、
「それがいいんだ。それがいいんだ。なあにたいていのことは固くならないで話しあってみれば、わけなく解決することなんだよ。それが学校でだと、お互いにそうはいかんのでね。