Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.724 caratteri · 355 schermate
」
「かまわん。はだかになるさ。どうせきょうはすっぱだかで話してもらいたいんだからね。ははは。」
次郎は眼を光らせて少佐を見たきり、固くなっていた。
そこへ、はでな浴衣を着た、三十五六の肥った女の人が、盆にサイダー瓶とコップとをのせてはいって来た。
「いらっしゃい。……はじめての方ですわね。」
盆をテーブルの上にのせながら、そう言って、彼女は次郎と少佐とを見くらべた。
「うむ、はじめてだ。本田っていうんだ。五年の錚々たる人物だよ。」
「あら、そう。よくいらっしゃいましたわね。」
次郎は二人になぶられているような気がしたが、素直に立ち上ってお辞儀をした。お辞儀をしながら見た少佐夫人の顔には白粉がこってり塗られており、まるっこい鼻の頭には脂が浮いていた。
「何かたべるものを持って来いよ。」
「ええ、すぐ。」
夫人が二人にサイダーをついだあと引っこむと、少佐はいかにも得意そうに言った。
「家内は兵隊を非常に可愛がる方だが、兵隊よりは学生の方がもっと好きらしいんだ。わしが配属将校になったんで大喜びさ。」
次郎は不愉快になるばかりだった。やはり学校の方に行けばよかったと思った。