Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate
」
とあった。
次郎は、その中の「ぼくのほうはたぶん変更はあるまいと思うが」という文句が気になった。もし恭一だけの考えで日取りがきめられるものだったら、そんなあいまいな言いかたをするわけがない。これはだれかほかの人の都合を念頭においてのことらしい、もしそうだとすると、それは道江の着京の日取りにちがいないのだ。
では、なぜそれならそれとはっきり書かないのだろう。道江の名を書くのがきまりわるくて、暗々裡にそれをほのめかしたつもりなのだろうか。あるいは、予告なしに道江をつれて来て、自分をおどろかすつもりなのだろうか。いずれにしても、自分にとっては、あまり愉快なことではない。何といういい気な、甘っちょろい兄だろう、と軽蔑してやりたい気にさえなる。
もっとも道江にたいして自分の抱いている気持ちに、兄がまだまるで気がついていないらしいのは、ありがたいことだ。しかし、だからといって、二人がむつまじくつれだってやって来るのまでを、ありがたく思うわけにはいかない。痛いきずは、どんなに用心ぶかくさわられても痛いのに、まして、そのきずに気がつかないで、無遠慮にさわられては全くたまったものではないのだ。