Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

四 入塾式の日

やがて中佐は、荒田老と鈴田のあとについて、ふきあげた板張りの廊下に長靴の拍車の音をひびかせながら、塾長室のほうに歩きだした。

次郎は、ちょっとの間、唇をかんでそのうしろ姿を見おくっていたが、急にあわてたように、三人の横を走りぬけ、塾長室のドアをあけてやった。

四 入塾式の日

式は予定どおり、十時きっかりにはじまった。

来賓席の一番上席には、平木中佐が着席することになった。中佐は最初、その席を荒田老にゆずろうとした。しかし荒田老は、

「今日は、あんたが主賓じゃ。」

と、叱るように言って、すぐそのうしろの席にどっしりと腰をおろし、それからは中佐が何と言おうと、木像のようにだまりこんで、身じろぎもしなかった。中佐はかなり面くらったらしく、すこし顔をあからめ、何度も荒田老に小腰をかがめたあと、いかにもやむを得ないといった顔をして席についたが、それからも、しばらくは腰が落ちつかないふうだった。

しかし、式がいよいよはじまるころには、もう少しもてれた様子がなく、塾生たちをねめまわすその態度は、むしろ傲然としていた。

来賓席の反対のがわには、田沼理事長、朝倉塾長、朝倉夫人の三人が席をならべていた。