Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate
その二人と向きあっている田沼先生の顔は、にこにこ笑っているようでもあり、ゆたかな頬を紅潮さして、きっと口を結んでいるようでもあった。
「でも、田沼先生にはちゃんとしたお考えがおありでございましょうし、あたしなんかが、こんなことご心配申しあげるの、かえって失礼でございますわね。ほほほ。」
と、朝倉夫人はさびしく笑ったあと、次郎のほうを向いて、
「あたしたち、こういう時に、しっかり世の中のことを勉強さしていただきましょうね。いい機会ですわ。」
「ええ。」
と、次郎はうなずいたが、いかにも心細そうな、元気のないうなずき方だった。
それから間もなく、朝倉夫人は炊事のほうの用で塾長室を出て行き、あとは三人で夕食になるまで話しこんだ。その話の間に、次郎は、友愛塾に対する軍部の圧迫が、荒田老や小関氏を通じてばかりでなく、かなり以前から文部省を通じても加えられており、その間に処しての田沼理事長の苦労が一通りでなかったことを知った。
夜の研究会には、小川先生も自ら進んで加わった。
討議は、なまなましい異変を中心題目にして、最初から興奮の渦をまいた。塾生の大多数は、どうなり友愛塾生活の意義だけは理解しており、不十分ながらもその実践にも努力して来たのであるが、それがかれらの生活感情に焼きついて動かないものになるまでには、まだ多くの