Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

くりかえして言うが、諸君は、楽しい生活などという、甘ったるい、自由主義的・個人主義的享楽主義に、いつまでもとらわれていてはならない。日本は今や君国のために水火をも辞さない勇猛果敢な青年を求めているのだ。この要求にこたえうるような精神を養うことこそ、諸君がこの塾堂に教えをうけに来た唯一の目的でなければならない。自分はあえて全軍の意志を代表して、このことを諸君の前に断言する。終わり!」

塾生たちの中には「終わり」という言葉をきくと同時に、機械人形のように直立したものがあった。その他の塾生たちは、理事長と塾長との式辞が終わったときに、顔をさげただけですました関係からか、さすがに立ちあがるのをためらった。しかし、どの顔も、何か不安そうに左右を見まわした。そして、直立した塾生たちを見ると、それにさそわれて、半ば腰をうかしたものも少なくはなかった。ただ大河無門だけは、そうしたざわめきの中で、その半眼にひらいた眼を、ながい夢からでもさめたように、ゆっくり見ひらき、しずかに頭をさげて中佐に敬意を表したのだった。

次郎の眼は、いつまでも大河無門にひきつけられていた。