Classici giapponesi con furigana
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うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Leggi 歌行灯 (うたあんどん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.094 caratteri · 72 schermate
」と、横顔で亭主を流眄。
「さよじゃ。」
とばかりで、煙草を、ぱっぱっ。
「なあ、今お聞かせやした、あの博多節を聞いたればな、……私ゃ、ほんに、身に染みて、ぶるぶると震えました。」
五
「そう讃められちゃお座が醒める、酔も醒めそうで遣瀬がない。たかが大道芸人さ。」
と兄哥は照れた風で腕組みした。
「私がお世辞を言うものですかな、真実ですえ。あの、その、なあ、悚然とするような、恍惚するような、緊めたような、投げたような、緩めたような、まあ、何んと言うて可かろうやら。海の中に柳があったら、お月様の影の中へ、身を投げて死にたいような、……何んとも言いようのない心持になったのですえ。」
と、脊筋を曲って、肩を入れる。
「お方、お方。」
と急込んで、訳もない事に不機嫌な御亭が呼ばわる。
「何じゃいし。」と振向くと、……亭主いつの間にか、神棚の下に、斜と構えて、帳面を引繰って、苦く睨み、
「升屋が懸はまだ寄越さんかい。」
と算盤を、ぱちりぱちり。
「今時どうしたえ、三十日でもありもせんに。……お師匠さん。」
「師匠じゃないわ、升屋が懸じゃい。」
「そないに急に気になるなら、良人、ちゃと行って取って来い。