Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Leggi 比島投降記 (ひとうとうこうき) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.333 caratteri · 134 schermate

Aozora Bunko

缶詰は朝がハムエッグス(といっても、缶をあけると目玉卵が出て来るのではない。鶏卵はこまかにかき廻してあり、ハムも小さく刻んである)、ディナーは挽肉、サパーはチーズである。浄水剤も入っていた。色々な物にマラリアに関する注意が印刷してある。文句は皆同じで「蚊にさされるとマラリアになる。マラリア流行地ではシャツを着用し、かつ袖をまくり上げぬこと。日没から夜明けまで、戸外にいる時は、駆蚊薬を使用すべし」と書いてある。これ等一式がすごく厚い蝋紙の箱に入り、それがまたボール紙の箱に入っているのである。

この米軍の給与以外に、米を持っている者は飯盒炊事をしてもいいということで、長方形の穴の上に鉄格子を横たえた場所が準備された。レーションの空箱や河岸に流れつく木や竹を燃し、格子の上に飯盒をのせて飯をたくのである。この設備をしたのが米軍のSという衛生兵で、猫背の、いかにも映画に出て来る薬屋の主人みたいな中年の男だったが、はじめ格子の上に、苦心して見つけ出した鉄板を置いたのに、日本人は態々その鉄板を取りのけて炊事をする、だから飯盒が真黒に煤ける。煤けると河岸へ行き、砂をつけてゴシゴシこするが、何故あんなことをするのか、自分には理解出来ぬという。