Classici giapponesi con furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Leggi 比島投降記 (ひとうとうこうき) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.333 caratteri · 134 schermate
今まで書いたことからでもお分りだろうが、僕はそれまでに一回も虐待されていない。激しい言葉をかけられたこともない。密林の中での生活は、決して楽ではなかったが、幸いにしてマラリアもデングも、軍隊でいわゆる「熱発」もしていない――これは稀有な例である――。空腹を感じたことは何度かあるが、それは飢餓ではなく、健康者が普通に持つ空腹感であった。だから、肉体的には、へたばっていなかった。精神的には、敗戦は大きな打撃だったが、それよりも、今後の日本と日本人とに関する関心と希望の方が大きかった。またG中尉は親切ではあったが、それこそ No favoritism : no monkey business で、僕に対する親切や思いやりは、捕虜全体に対するものと同じであった。僕としても一人前以上英語が出来、通訳として監督将校たるG中尉やその部下の下士官、兵の連中と、時には冗談もいうような立場にいたが、それを利用して自分ひとりが得をしようというような了見は、爪の垢ほども持ったことがない。これだけは大威張りでいえることだが、シガレット一本くれといったことさえない。後でアパリの収容所に病院が合併した時、どうやらイシ(いつの間にか僕の名前から「川」