Classici giapponesi con furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Leggi 比島投降記 (ひとうとうこうき) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.333 caratteri · 134 schermate
が落ちて、僕は「イシ」になってしまっていた)には一日一箱二十本入のシガレットをやれということになったらしかったが(当直の米兵が「お前、今日はシガレットを貰ったか」とか「昨日はやるのを忘れていた」とか、ちょいちょいいったところから推測すると)貰わない時でも、また持っていたのを人にやって無くなってしまった時でも、目の前で向うがプカプカやっても、一本くれと手を出したりせず、無ければないで吸わずにいた。「米国人は察しが悪いから、ほしいものはどんどんほしいといえば呉れる、黙っているのは馬鹿だ」という軍属の通訳殿もいた。僕も米国は知っているし、米国人も知っているつもりだが、生命にかかわることならとにかく、煙草とか菓子とか、無くてもいい嗜好品をほしがったり、通訳という位置を利用したりするのは、卑しいことだと思ったのである。ちゃんと分って見れば、理窟にならぬ戦争を始めて、そして負けた――これ以上の大きな恥辱はないのだから、その上日本人はやたらに物をほしがるとか、不潔だとか、だらしがないとか見られて、恥の上塗りをするようなことはやめようではないか――これは僕の考えであり、アパリの収容所では一緒に働いてくれた台湾軍のT中尉(ラロのとは別人)やW軍曹とも話し合ったことなのである。