Classici giapponesi con furigana
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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Leggi 江戸前の釣り (えどまえのつり) di 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.910 caratteri · 214 schermate
朝起きて顔も洗わず、二尺つぎ、二間半の竿に腰ビクをさげて、ぶらりと飛び出すと、アサヒメという秋田産のめす犬がついてくる。いくら追っても帰らない。ふだん、犬を可愛がるのもよしあしだ。
一旦帰ってヒモでつないで、改めて出かける。川で口をすすぐと歯にしみて、目がさめる。餌は川虫をとるか、イタドリ、蛾、クモ、トンボ、イナゴ、なんでもよい。ただし、釣り場へは白い服は着て行かないこと。
山の上では何という鳥か、笑うような声で鳴いている。岩の陰にからだをかくして一ぷくつけると、野兎が飛びだす。兎のほうでも驚くのだろうが、兎よりこっちのほうがびっくりする。この土地ぐらい野兎の多い土地もない。信州の枕言葉のミスズカル根曲がり竹を切り出してくる土地の人が、後ろに兎の生きたのをぶらさげている。ゆうべワナをかけてとったという。可哀そうだから放してやってくれと頼んだが、雪のある冬のうちから、木の新芽を食ってしまう悪いやつだという。
そんな話を聞いていると、ぼくは数千年前の太古の昔にいるようで時代を忘れ、大きな原始林の中にただ一人、世俗を離れ、いっさいを忘れて、しばし無我の境。