Classici giapponesi con furigana
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さばくのびき
沙漠の美姫
国枝 史郎
Leggi 沙漠の美姫 (さばくのびき) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6658 caratteri · 14 schermate
「さあ」と私は薄ら笑いをしたが、
「日本の大衆作家ではね、匈奴の美しい娘さんには、愛されそうもありませんよ。それに私の肉体は、随分いたんでおりますのでね。都会文明の阿片の毒が、骨にまで滲み込んでいるのです。逞い腕なんかで捲かれようものなら、ハッ、ハッ、ハッ、窒息をします」
「可哀そうね、可哀そうな人ね」
「それに少し倦きましたよ」
「何が?」
と王昭君は眼を見張った。
「匈奴の国の生活にですよ」
「あなたは少し倦きっぽいのね」
「いや寧ろそれはこういった方がいいので。生活力が弱いのだとね。――或点までは適させて行くが、度を越すと反動的に隠遁的になります」
「それでは出世しませんよ」
「中位には出世もします」
「敢為の気象をお出しなさいよ」
「何等かの感激でも来ましたらね」
「何う? 接吻は? 私の接吻は?」
こういって王昭君は口を尖らせた。
「ご面蒙ろう!」と断ってしまった。
「それは私を頓死させることです」
九十歳になった時に王昭君は死んで盛大極まる儀式の下に、豊州の西から六十里の地点の振武軍金沙県の西北の曠野へ、まことに鄭重に葬られた。胡沙の地は不毛であるがために、草は白色を呈しているが、九十になっても美貌であったところの、王昭君の墓地へばかりは、青い色の草が茫々と生えて、不遇な美姫の悩みある魂を慰めたなどと中華の詩人が、笑う