Classici giapponesi con furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Leggi 沼夫人 (ぬまふじん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.541 caratteri · 78 schermate
灯の暗い、鬱陶しかるべき蚊帳の内も、主人がこれであるから、あえて蒸暑くもないのであった。
小松原は、裾を細う、横に手枕で気を休めていた。
「怯えたどころか、一時はそのままになるかと思った。起きるには起きられず、遁げるには遁げられず、寝返りさえ容易じゃない、実際息が留まりそうだったものね。」
咽喉を斜に手を入れて、痩せた胸を圧えながら、
「見たまえ、いまだにこの動悸を、」
「色は白くっても、野郎の癪を圧えたってはじまらない。は、はは、いや、しかし弱い男だ。」
「ふ、ふ、」
と力抜けた声で笑って、
「奥さんは?」と俯向けに額を圧える。
「御心配に及びません。君が侵入に及んだために他室へ遠慮したというんじゃない。小児の奴がまた生意気に、私がちと飲過すと、酒臭い、と云って一つ蚊帳を嫌います。いや、大に台所の内諭なきにしもあらずだろうが。
そこで、先刻、君と飲倒れたまま遠島申附かった訳だ。――空鉄砲の機会もなしに、五斗兵衛むっくと起きて、思入があったがね。それっきり目が冴えて寝られないで、いささか蚊帳の広さかなの感あった処です。
君もちょっとは寝られまい、朝までここで話したまえ。