Classici giapponesi con furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Leggi 沼夫人 (ぬまふじん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.541 caratteri · 78 schermate
「まさか、墓へは連れて行かないから、私の許へ御一所に。」
指して、指の先で、男が只瞻りに瞻った瞳を、沼の片隅に墨で築いた芭蕉の蔭へ、触って瞬かせるまで、動かさせて、
「あすこを通って、岨伝いに出られる里。……立さん、そんなに吃驚なさらないでも、貴下が昨日、お医師様の許へおいでなすった事は、私もう知っています。
いつかの時の怪我でねえ、まだ時々、時候の変り目に悩みますから、梅雨時分、あのお医師様にお世話になったの、……私のね、今隠れている百姓屋へ来て貰って……
立さんが、先刻葬式にいらしった、この沼の白骨も、その時私の許で聞いて、あの方がここへ来て拾って行ったんです。
この頃、また、ちっと塩梅が悪いので、医師へ通っていますから、今日こちらへお出でなさる事も、貴下がお出掛けの直ぐあとへ行って聞いて来ました。
先刻から、あちこちで、様子を見ていましたけれども、傍に人が居るから、見られるのが可厭で来ませんでしたよ。
さあ、いらっしゃい。」
「……参ります!」
とだけは決然として気競って云ったが、膝が萎えて、がくついて、ついした事には行かないで、
「貴女、貴女、」