Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なきむしこぞう

泣虫小僧

林 芙美子

Leggi 泣虫小僧 (なきむしこぞう) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.906 caratteri · 70 schermate

Aozora Bunko

――だらしがないンでねえ、あのひとも……」

勘三が自動電話から出てくると、啓吉が白目を張りあげて大粒の涙を溜めていた。

「心細がらなくったっていいよ、中の叔母さんは事務所の連中と明日はハイキングだっていうんだ。だから小さい叔母さんとこへこれから行ってみよう」

「…………」

「大丈夫だよ、――何だ男の子の癖に」

「ねえ、僕、お母さんとこへ帰りたいや!」

啓吉はそういって、自動電話の後へ回り、雨に濡れたまま声も立てずに泣き出した。

八

蓮子は十七歳の夏、姉の寛子の所をたよって上京して来ると、すぐ姉の良人、松山勘三の友人瀬良三石と結婚してしまって、三人の姉達に呆れた女だと叱られてしまった。で、それっきりこの半年ばかり、どの姉達にも御無沙汰してしまって、三石と夫婦気取りで、その日その日をおくっていたのだ。

瀬良三石は、洋画家で、毎年帝展へ二三枚は絵を運ぶのであったが、落選の憂き目を見ること度々で、当選したのは、七八年前に軍鶏の群を描いてパスしたと言っているが、これとても当にはならない。当人はヴァンドンゲンを愛していて、青色の人物をよく描くのだが、勘三に言わせると「空家に住む人物」