Classici giapponesi con furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate
とお勢はじぶくりだした、誰に向ッて云うともなく。
「笑いたきゃア沢山お笑いなさい……失敬な。人の叱られるのが何処が可笑しいンだろう? げたげたげたげた」
「何だよ、やかましい! 言艸云わずと、早々と拭いておしまい」
と母親は火鉢の布巾を放げ出す。けれども、お勢は手にだも触れず、
「意久地がなくッたッて、まだ自分が云ッたことを忘れるほど盲録はしません。余計なお世話だ。人の事よりか自分の事を考えてみるがいい。男の口からもう口も開かないなンぞッて云ッて置きながら……」
「お勢!」
と一句に力を籠めて制する母親、その声ももウこう成ッては耳には入らない。文三を尻眼に懸けながらお勢は切歯りをして、
「まだ三日も経たないうちに、人の部屋へ……」
「これ、どうしたもンだ」
「だッて私ア腹が立つものを。人の事を浮気者だなンぞッて罵ッて置きながら、三日も経たないうちに、人の部屋へつかつか入ッて来て……人の袂なンぞ捉えて、咄が有るだの、何だの、種々な事を云ッて……なんぼ何だッて余り人を軽蔑した……云う事が有るなら、茲処でいうがいい、慈母さんの前で云えるなら、云ッてみるがいい……」
留めれば留めるほど、尚お喚く。