Classici giapponesi con furigana
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しんやのきゃく
深夜の客
大倉 燁子
Leggi 深夜の客 (しんやのきゃく) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.926 caratteri · 28 schermate
君の声が聞きたかったらこのレコードをききます。と云いました。冬子の声は低くてよく聞えなかったが、譲治は何となく息苦しくなり、生汗がじとじと渉んできました。が、親友がしっかりと手を押えているので、戸棚から出ることも出来ません。隙見しているのではっきりとは見えませんが、どうやら仙ちゃんと冬子の手が時々触れ合ったりするような気がして、彼はもうじっとしてはいられなくなったんです」と云って、尾越は自分の事ででもあるように、大きな溜息を吐いて、
「やがて、隣の部屋にレコード吹込みの仕度が出来、女の子はその方へ行きました。三味線を弾いている冬子の半身が見えているぎりで、仙ちゃんの姿は見えない。親友は譲治の体をちょいちょい突いて、ソラ、見ろ、どうだ? なんてささやきます、が、譲治には何も見えません。親友は彼以上に夢中になっているようでした」ちょっと言葉を断り、軽い咳をしていたが、また話しだした。
「ところが、仙ちゃんが起ち上ったらしい気配がしたと思うと、同時に妻の肩へ彼の手がかかったのを見たのです。譲治はくらくらと眩暈を感じました。彼の熱い血はぐんぐん頭へ昇り、すっかり思慮を失って、親友の止めるのを振り切って、ふらふらと戸棚から出たものです。