Classici giapponesi con furigana
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
Leggi 澪標・落日の光景 (みおつくし) di 外村 繁 (とのむらしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.889 caratteri · 268 schermate
私は更に兇暴な感情に煽られる。私は春枝の両手を前掛の紐で縛ってしまおうと焦っていた。
私の記憶はここで断たれている。多分、母にひどく叱られ、泣き出してしまったことであろう。しかし自分ながら得体の知れぬこの感情は、やはり性欲から発したものではないか。勿論、一時的に突発したものであろう。その頃、私は母と風呂に入った。母が留守の時には、春枝や、いさとも入ったはずである。しかしそんな女の肉体については、何の記憶も結ばれていない。母がきまって前に手拭を当てていた姿は覚えている。が、私は小学校の上級になっても、風呂へは母とともに入ったから、後年の記憶であろう。
私の恩師、脇村先生は最初は長兄や、姉の担任の先生である。その頃から先生は私の家へよく遊びに来た。母は先生を非常に尊敬していて、夕食を供したりして歓待した。人見知りの強い私も脇村先生は少しも恐しくなかった。むしろ私は先生に馴れ親しんでいて、そのことが内心得意でもあった。
ある日、脇村先生が来ている。私は座敷へ入ると、まっ直ぐに先生のところへ行き、先生の膝に腰を下した。
「失礼な、ことを、させておる」
丁度、帰省していて、その席に居合わせていた父が、怒りを含めた声でそう言った。