Classici giapponesi con furigana
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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
Leggi 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 156.085 caratteri · 312 schermate
じっさい年も八十ちかい老人にちがいありません。口のききかたなども、りっぱで、まさか、これがにせものとは、どうしても思われなかったのです。
ずっと、あとになって、わかったのですが、このにせの真珠王は、賊のなかまではなくて、七十いくつのくずやのじいさんが、五万円のおれいでやとわれ、賊に教えられるとおりのことを、やったばかりでした。ほんとうの賊は職人にばけた松村のほうでした。それなればこそ、風船の綱をきって、どことも知れず、ふきながされるような冒険もやってのけたのです。
しかし、巨ゾウの風船は、どこまで、ふきながされていくのでしょう。西北の風ですから、まもなく品川から、お台場をすぎて、東京湾にながされていくでしょう。そして、気球の中のガスは、だんだんもれていって、ついには太平洋の海の中へ落ちてしまうでしょう。そばを船が通ればよいけれども、広い広い海の上です。とても、そんなうまいぐあいにはいきません。松村と名のる怪盗は、海におぼれて死ぬほかはないのです。かれは、なにを思って、こんなむちゃな冒険をやったのでしょうか。
巨ゾウの風船が、デパートの空に飛びあがって、だんだん小さくなっていったころ、元刑事のひとりが、警視庁の捜査課へ電話をかけて、この事件を報告しました。