Classici giapponesi con furigana
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えぼしだけのちょうじょう
烏帽子岳の頂上
窪田 空穂
Leggi 烏帽子岳の頂上 (えぼしだけのちょうじょう) di 窪田 空穂 (くぼたうつぼ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7432 caratteri · 15 schermate
そして、それを越したあなたには、さまざまな形をした山の頂上が、その頂上を空の上に浮べているだけである。その頂上の、輝きの強いのは近く、弱いのは遠いと思われるだけで、そこに何れだけの距離があるかの見当もつかない。
「あの山がみんな、この自分の草鞋の底に続いているのだ。これからあの上を通るのだ。」
そう思うと私は、心が張って来るのを覚えた。それに対して軽い心を動かすのは、憚るべきことのような気がした。
私は振り返って、眼に近い露営地のほうを見た。テントはまだ手が着けられずに、昨夜のままになっている。焚火は燃えている。人夫と一行の者とは、それぞれのことをしている。二三の人夫は、テントの向うの、やや低くなったところの雪渓のところへ行って屈んでいる。一人の人夫は、薬鑵に水を汲んで、それをこぼすまいとするらしい恰好をして上って来る……。そうした光景が全体となってすっきりと見えている。
それを見ていると、私は一種の気分に捉えられて来た。それは、からだのひどく疲れた時に、ともすれば起る、人を厭わしいものに感じて来るのと似ていた。しかし、そういう時には、こちらから人を避けたくなるのであるが、今は、それとはちがって、そこに見えている人も、見ている自分も、云うべくもない醜い、値いのない、ここにこうしているのが不適当なものに感じ