Classici giapponesi con furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Leggi 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) di 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 100.616 caratteri · 201 schermate
私は、倉庫の天幕から、一枚の帆布と、一本の細い索を持ってきた。そして、運転士と漁業長とをつれて、天幕のまわりと、伝馬船を見まわってから、砂山にのぼった。
細い金のかまのような月がでて、海もなぎさも、ものかなしげに光っている。小笠原は、もじゃもじゃひげを風にふかせながら、のしのしと、しっかりした足どりで、砂山の上を、あっちこっち歩いて見はりをしていた。かわいそうに、かれはまだ、おなかのぐあいがよくないのだ。私は、
「小笠原、今夜はありがとう。よくいってくれた。よく見はりに立ってくれた。わかい者たちのためを思ってくれたことは、私には、よくわかっている。これからも、たのむよ」
こういって、かれの肩をたたいた。
「経験のある者だけに、わかることです。船長に、そんなにいっていただいて、うれしいです」
かれは、右手をあげて、空を指さしつつ、
「あの細い月がわかい者にはどくです。あの月を見ているうちに、急に心細くなって、懐郷病(国のことを思って、たまらなくなる病気)にとりつかれますから」
「そのとおりだ。それよりも、おまえには、夜の風がどくだ。まだ腹もよくないようだね。