Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
「お分りでございましたか。」
「この通りの雑沓でよく見分けがつきかねて困っていたところ、薄葉の蛍でさてはと思い申した。」
「往きの道すがらとらえた蛍がこのように役に立たうとは思いもかけぬことでした。斯様いたしておけばお心づきかと存じていたのでございます。」
「よい思いつきであった。そなたでなければ思いいたらぬこと。」
「あまりの雑沓にて似も似た女車ばかりでございますもの、明りがそとからお見えになりまして?」
「片扉がそっくり浮きあがるほど明るく存じる。」
「このいたいけな光の虫をごらんあそばしませ。」
「なるほど、虫でもこういう美しいのもいるものだ。」
薄葉をひらいて見ると、十数疋の蛍は、月草の葉の上にとまり、静かに灯りをつぎつぎ点していた。しかも、今年の蛍は例年にくらべて、ゆたかにも大きく育っているらしかった。
「我ら蛍に手をふれたことも十年振りでござる。童の頃に宵々にはよく狩りに出たものだが、いつまでも童のようにしてはいられぬ。美事な蛍だ。」
薄葉のすきをのがれた一疋は、いかにも羽根のある虫らしく高慢にも、しずかに立って行った。飛びながらも明滅する光は、きれぎれに青い線を空に曳いて上った。