Classici giapponesi con furigana
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
Leggi 犬田卯短編集二 (いちろうじん) di 犬田 卯 (いぬたしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.383 caratteri · 103 schermate
久しぶりで彼は酔っぱらってさえいた。
彼の前半生は――といってももはや後半生も残り少なになっているのであるが――かかることの絶えざる繰りかえしであった。彼は高飛びをするとか、あくまで盗みを隠匿するとかいう智能は持たなかった。近所の、様子のよく分っている家の米俵をかついでは、苦もなく「上げ」られて、そして累犯々々で、次第に長たらしい刑期を送らなければならないようになった。が、いっこう、それが苦にならないらしい。先年、中風の老爺を「あの世」へ送ってからは、全く彼は呑気に、のそりのそりと牛のようにやっていたという。刑務所でこしらえて来た貯金が、そうしたしばしの彼の生活費にあてられるらしく、それが尽きて、村の商い店へものを買いに来なくなると、「もうそろそろはじまるぞ」と村人は笑い出すのであった。
実際、警戒などしたって仕方がない。俵にかけては神様も同然の彼のことである。かつがせておいて、あとで尻っぽを抑えればそれでよかったのだ。従って村人は彼の存在を大して苦にしない。刑期を終えて彼がかえって来れば、「今日は」「いや、しばらく!」であった。
コソ泥のR