Classici giapponesi con furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Leggi 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.418 caratteri · 79 schermate
「う――むむ」
松倉十内は腕を組んで今一度太い、深い溜息を吐いた。顔色がいつの間にか青ざめて両眼をシッカリと閉じていた。
「う――む。返す返すも驚き入った話じゃのう。とても真実とは思われぬわい」
「旦那様……」
「何じゃ……」
松倉十内は白々と眼を見開いた。赤猪口兵衛は勢い込んで言った。
「このお話が真実で御座いませねば、その娘のお熊が斬られた話も真実では御座いますまい」
「ううむ。しかし娘の死骸は身共がこの眼で見て来たのじゃから間違いはないが。ううむ」
今度は赤猪口兵衛が唖然となった。あまりの自烈度さに顔色を青くして唇を震わした。
「旦那様……」
「何じゃ……」
「早ようお手当なさりませぬと、蔵元屋は夜逃げ致し兼ねますまいて……肝腎要の金の蔓の娘が殺されたので御座いますから……」
「うう――――むむ……」
松倉十内は恨めしそうな白い眼で赤猪口兵衛を白眼み付けた。下役の良助がおる手前、非人風情の差出口に追い詰められた見っともなさにジリジリして来たらしい。
「うう――む。さような事はその方どもの存じた事ではないわい。蔵元屋に手を入れるとなると容易な事ではないのじゃ。御家老様、大目付殿、お納戸頭などと十分に御打合わせを願うた上で、お指図を受けねばならぬが……しかし……」