Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Leggi 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.020 caratteri · 131 schermate

Aozora Bunko

庄造に云わせると、この猫は決して粗をしない、用をする時は必ずフンシへ這入ると云う。いかにもその点は感心だけれど、戸外にいてもわざわざフンシへ這入るために戻って来ると云う調子なので、フンシが非常に臭くなって、その悪臭が家中に充満するのである。おまけに臀の端へ砂を着けたまま歩き廻るので、畳がいつもザラザラになる。雨の日などは臭が一層強く籠ってむッとするところへ持って来て、おもてのぬかるみを歩いたままで上って来るから、猫の脚あとが此処彼処に点々とする。庄造は又、この猫は戸でも襖でも障子でも、引き戸でさえあれば人間と同じに開ける、こんな賢いのは珍しいと云う。だが畜生の浅ましさには、開けるばかりで締めることを知らないから、寒い時分には通ったあとを一々締めて廻らなければならない。それもいいけれども、そのために障子は穴だらけ、襖や板戸は爪の痕だらけになる。それから困るのは、生物、煮物、焼物の類をうっかりその辺へ置くことが出来ない、ぼんやりしていると直ぐ食べられてしまうので、お膳立てをするほんの僅かな間でも、水屋か蠅帳へ一応入れて置かなければならない。いやいや、もっとひどいことは、この猫は臀の始末はよいが、口の始末が悪くて、ときどき嘔吐するのである。