Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうき
獄中記
大杉 栄
Leggi 獄中記 (ごくちゅうき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.988 caratteri · 58 schermate
僕は子供の時には、性欲を絶った仙人とか高僧とかいうものは非常に偉いものと思っていたが、やや長じてからは、そんな人間があるとすれば老耄の廃人くらいに考えていた。しかしそれはどちらも誤っていた。僕のような夢にまで鱈腹食って覚めてから下痢するというほどの浅ましい凡夫でも、時と場合とによれば、境遇次第で、何の苦心も修養も煩悶もなく、ただちに聖人君子となれるのだ。
ある夜などは、自分が不能者になったのかと思って少々心配し出して、わざといろんな場面を回想もしくは想像して見た。が、ついにその回想や想像が一つとして生きて来ない。僕はほとんど絶望した。
危く大逆事件に引込まれようとする
一カ年の刑期のものはとうに出た。一カ年半のものも出た。二カ年の堺と山川ももう残り少なくなった。そこへ突然検事が来て、今お前等の仲間の間にある大事件が起っているが知っているかというお尋ねだ。何か途方もない大きな事件が起きて、幸徳を始め大勢拘引されたということは薄々聞いていた。その知っただけのことを、またどうしてそれを知ったのか、監獄の取締上一応聞いて置きたいと言うのだ。うろん臭いのでいい加減に答えて置いた。