Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんじつのひつよう

現実の必要

宮本 百合子

Leggi 現実の必要 (げんじつのひつよう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4068 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

ときめて、金を銀行、郵便局へ封鎖し、生きるために欠くことの出来ない生活必需費を、グイ、グイとつり上げている。私たちが、自分たちの頸のまわりで繩が段々締って行くように感じるのが、間違っているだろうか。

封鎖された金は、人民生活の改善のために使われようとはしていない。政府は、モラトリアムまで布きながら、今だに、軍需産業への補償というようなことを云っている。「欠損をしている」のは、帳面づらだけだと、誰にも分りきった軍需生産者、つまるところは、戦争で儲けつくした者たちに、何故か幣原内閣は、なおも追銭をやらなければならない義理を感じているのである。戦争中、人民から集めた国防献金は七億円あまった。それは、今どこに管理されている。日婦が、一応解散したとき一億円だかの財産があった。それも、どこかの役所にしまいこまれている。

失業者は二月下旬に五百八十三万人と云われた。これは、日本の失業統計のレコード破りである。これだけの人数が、みんな一ヵ月世帯主三〇〇円、家族数一人につき一〇〇円ずつの預金をどこからか下げて、あらゆる三倍ずつの生計費をまかなって暮し、花見をして、上機嫌で平和の春がうたえるものだと、かりそめにも思うものは無い。