Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Leggi 痴人の愛 (ちじんのあい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.399 caratteri · 353 schermate

Aozora Bunko

驚いたことには、ナオミはこの男に向うと、忽ちこんな乱暴な言葉を使うのでした。

「や、此奴アいけねえ」

と、まアちゃんは首をちぢめて頭を掻いて、ちらりと遠くのテーブルにいるピンク色の方を振り返りながら、

「己もずうずうしい方じゃ退けを取らねえ積りだけれど、あの女には敵わねえや、あの洋服で此処へ押し出して来ようてんだから」

「何だいありゃあ、まるで猿だよ」

「あははは、猿か、猿たあうめえことを云ったな、全く猿にちげえねえや」

「巧く云ってらあ、自分が連れて来たんじゃないか。―――ほんとうにまアちゃん、見っともないから注意しておやりよ。西洋人臭く見せようとしたって、あの御面相じゃ無理だわよ。どだい顔の造作が、ニッポンもニッポンも、純ニッポンと来てるんだから」

「要するに悲しき努力だね」

「あははは、そうよほんとに、要するに猿の悲しき努力よ。和服を着たって、西洋人臭く見える人は見えるんだからね」

「つまりお前のようにかね」

ナオミは「ふん」と鼻を高くして、得意のせせら笑いをしながら、

「そうさ、まだあたしの方が混血児のように見えるわよ」

「熊谷君」

と、浜田は私に気がねするらしく、もじもじしている様子でしたが、その名でまアちゃんを呼びかけました。