Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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らい

癩

島木 健作

Leggi 癩 (らい) di 島木 健作 (しまきけんさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.753 caratteri · 74 schermate

Aozora Bunko

――壮年の男は驚くほどに巌丈な骨組みで、幅も厚さも並はずれた胸の上に、眉毛の抜け落ちた猪首の大きな頭が、両肩の間に無理に押し込んだようにのしかかっているのである。飛び出した円い大きな眼は、腐りかけた魚の眼そのままであった。白眼のなかに赤い血の脈が縦横に走っている。その巌丈な体躯にもかかわらず、どうしたものか隻手で、残った右手も病気のために骨がまがりかけたままで伸びず、箸すらもよくは持てぬらしいのであった。彼は監房内にあって、時々何を思い出してか、おおっと唸り声を発して立ち上り、まっ裸になって手をふり足を上げ、大声を出しながら体操を始めることがあった。その食欲は底知れぬほどで、同居人の残飯は一粒も残さず平らげ、秋から冬にかけては、しばしば暴力をもって同居人の食料を強奪するので、若い他の二人は秋風が吹くころから、また一つ苦労の種がふえるのであった。――そしてこの男は、時々思い出したように、食いものと女とどっちがええか、今ここに何でも好きな食いものと、女を一晩抱いて寝ることとどっちかをえらべ、といわれたら、お前たちはどっちをとるか、という質問を他の三人に向って発するのである。