Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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らい

癩

島木 健作

Leggi 癩 (らい) di 島木 健作 (しまきけんさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.753 caratteri · 74 schermate

Aozora Bunko

1

新しく連れて来られたこの町の丘の上の刑務所に、太田は服役後はじめての真夏を迎えたのであった。暑さ寒さも肌に穏やかで町全体がどこか眠ってでもいるかのような、瀬戸内海に面したある小都市の刑務所から、何か役所の都合ででもあったのであろう、慌ただしくただひとりこちらへ送られて来たのは七月にはいると間もなくのことであった。太田は柿色の囚衣を青い囚衣に着替えると、小さな連絡船に乗って、翠巒のおのずから溶けて流れ出たかと思われるような夏の朝の瀬戸内海を渡り、それから汽車で半日も揺られて東海道を走った。そうして、大都市に近いこの町の、高い丘の上にある、新築後間もない刑務所に着いたのはもうその日の夕方近くであった。広大な建物の中をぐるぐると引きまわされ、やがて与えられた独房のなかに落ち着いた時には、しばらくはぐったりとして身動きもできないほどであった。久しぶりに接した外界の激しい刺戟と、慣れない汽車の旅に心身ともに疲れはてていたのである。それから三日間ばかりというもの続けて彼は不眠のために苦しんだ。一つは居所の変ったせいもあったであろう。しかし、昼も夜も自分の坐っている監房がまだ汽車の中ででもあるかのように、ぐるぐるとまわって感ぜられ、思いがけなく見ることの出来た東海道の風物や、汽車の中で見た社会の人間のとりどり