Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しろあり
白蟻
小栗 虫太郎
Leggi 白蟻 (しろあり) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.099 caratteri · 106 schermate
「ですから、時江さんが避ければ避けるほど、貴方の幻をしっくりと嵌め込むのに、焦れだしてきたのですが、折よくこの樹立の中で、私は人瘤を探し当てました。それが私をまったく平静にして、あの烈しい相剋が絶えずひしめき合っていてさえも、いっこう爆発を惹き起すまでには至らないのです。つまり、私の心を、膜一重でからくも繋ぎ止めているあの三重の心理――現在の十四郎を鵜飼としてそうしての春婦のような私と、時江さんに貴方を求めても、いつ追いつけるか判らない私。それから、その空虚を充そうとして、人瘤を探しだした私――と、この三つの人格が、今にも綻びるかと思われながら、じっとあの対立を保っていてくれるのです。しかし、ここに問題があると云うのは、もしいつかの日に――わけても、私が時江さんを占めることの出来た、その後にやって来たとしたらなおさらですが――そうしてあの男が、貴方の空骸に決まってしまうのでしたら、いったいその時、私はどうなってしまうのでしょう。せっかく貴方の幻影という衝動に追われて、ここまでからくもやってきたのです。それをまた、あの妖怪に引き戻されてしまうなんて、まあなんという、憐れな惨めな事でしょう。