Classici giapponesi con furigana
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しろあり
白蟻
小栗 虫太郎
Leggi 白蟻 (しろあり) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.099 caratteri · 106 schermate
二、鉄漿ぐるい
ですけど、また考えようによっては、それが当然の経路なのです。最初救護所で、鵜飼邦太郎の顔を一目見た――その時から、貴方はその中へ溶け込んでおしまいになったのですからね。ああ、そうそう、きっと貴方は、稚市を見れば、お駭きになるに違いありませんわ。あの子は、貴方が最初の人生をお終えになった、その後に生れたのですが、やはりあの子にも、貴方と同じ白蟻の噛み痕があるのです」
その頃は、雷雲が幾分遠ざかったので、空気中の蒸気がしだいに薄らぎはじめた。そして、その中へ一面に滲み出したのは、今にも顔を出しそうな陽の影だった。すると、沼の水面で大きな魚が跳ねたとみえ、ポチャリと音がすると、そのとき池畔の叢の中から、それは異様なものが現われて出て来た。そこは、鋸の葉のような、鋭い青葉で覆われていたが、いきなりそこ一帯が、ざわざわ波立ってきたかと思うと、それまで白い蘚苔の花か、鹿の斑点のように見えていたものが、すうっと動き出した。そして、その間から、人間とも動物ともつかぬ、まったく不思議な形をしたものが、声も立てず、ぬうっと首を突き出した。
二、鉄漿ぐるい
それが、騎西一家に凍らんばかりの恐怖を与え、絶望の底に引き入れた、稚市だった。