Classici giapponesi con furigana
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しろあり
白蟻
小栗 虫太郎
Leggi 白蟻 (しろあり) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.099 caratteri · 106 schermate
そして、この子の身体は闇の中に浮き上がりますし、それに、両股の間からくる光りに怯えて、階段を這い上がるに相違ないのですから、それに惹かれて、あの男が歩んでまいりますうちに、いつか廊下が尽き、それなり下に墜落してしまうのです。ところが、その場所には、横に緩く張った一本の綱がございます。そればかりか、それにはなお、狭い間隔を置いて縦に張った二本が加わっておりますので、あの男の頸がその中央辺に落ちれば、否応なくちょうど絞索のような形が、そこに出来上がってしまうでしょう。貴方の空骸は、そうしてグルグル廻転しながら、息が絶えてしまうのです。でも、どうしたということでしょう。いつもなら今時分には一度、きまって眼を覚ますのですが……」
滝人の頭は、しだいに焦躁たしさで、こんがらがってきた。もしこの機会を逃したなら、あるいは明日にも、十四郎は片眼の繃帯を除らぬとも限らないのである。そうしたら、完全に犯罪を遂行する――あの嫌らしい呼吸や、血に触れることなくなし了せる機会は、永遠に去ってしまうに相違ない。そう思うと、滝人の前には、陰鬱な壁が立ちはだかってきて、たまらなく稚市の、獣のような身体が憎くなってきた。