Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Leggi 白髪鬼 (はくはつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.046 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

異様な前置き

(作者申す)この物語はマリイ・コレルリ女史の傑作『ヴェンデッタ』を、私流に改作したものです。『ヴェンデッタ』には已に黒岩涙香の名訳『白髪鬼』があるので、私は同書版権所有者の承諾を得て、態と同じ題名を用いることにしました。併し、内容は、原作とも涙香の訳とも、大分違ったものになる積りです。

「冨士」昭和六年四月号

異様な前置き

今わしの前には、この刑務所の親切な教誨師が、わしの長物語が始まるのを、にこやかな笑顔で待受けておられる。わしの横手には、教誨師が依頼してくれた、達者な速記者が、鉛筆を削って、わしの口の動き出すのを待構えている。

わしはこれから、親切な教誨師の勧めによって、毎日少しずつ、数日に亙って、わしの不思議な身の上話を始めようとするのだ。教誨師は、わしの口述を速記させ、いつか一冊の本にして出版する積りだと云っておられる。わしもそれが望みだ。わしの身の上は、世間の人が夢にも考えたことがない程、奇怪千万なものであるからだ。イヤ、奇怪千万なばかりではない。これを世の人に読んで貰ったなら、幾分でも勧善懲悪のいましめにもなることであるからだ。

春の様になごやかであったわしの半生は、突然、歴史上に前例もない様な、恐ろしい出来事によって、パッタリと断ち切られてしまった。