Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Leggi 白髪鬼 (はくはつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.046 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

瑠璃子と川村と三人で地獄谷へ遠足したこと、わしが痩我慢を出して、地獄岩に昇ったこと、その突端へ出たかと思うと、突然足の下の抵抗がなくなったこと。

「すると俺は今、あの崖の下の岩の上に寝ているのかしら。いつの間に夜になったのだろう。いくら夜でも、星の光り位は見え相なものだが」

わしは不審に耐えず、先ず両手を触れ合って見るのに、手には温味がある。胸を探ると、張裂くばかりに動悸がしている。

「だが、この息苦しさは、どうしたというのだろう。誰かが口を押さえて、空気を入れぬ様にしているのかしら。アア、空気がほしい。空気がほしい。何とかして、空気を掴みとって、むさぼり啖わねば、死んでしまう。助けてくれ!」

わしはもがきながら、思わず手を伸ばしたかと思うと、余りのことに「キャッ」と叫ばないではいられなかった。

手に触ったのは堅い板であった。さぐって見ると、右も左も上も下も、狭い板で囲まれていることが分った。一刹那、わしは何もかも悟ってしまった。悟りは悟りながら、それと我心に知らせるさえ恐ろしい程の、惨酷な事実だ。

皆さん。わしは埋葬されたのだ。生きながら埋葬されたのだ。