Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Leggi 白髪鬼 (はくはつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.046 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

だが、わしは恥かしながら妻に惚れていたのじゃ。腹が減って痩せおとろえ、土まみれの経帷子の姿では、どうにも逢いたくなかったのだ。せめて湯にでも入って、髭でもあたって、日頃の大牟田子爵になって帰り度かったのだ。

わしは、そう心を極めると、もう一度墓穴に取って返し、例の海賊の財宝の中から、日本の紙幣を少しばかり抜き出して、それをふところに入れて、町の方へ歩き出した。

仕合せなことには、わしは町の入口で、一軒のみすぼらしい古着屋を発見した。

いきなり、ツカツカとその店へ入って行くと、薄暗い電燈の下で、コクリコクリ居眠りをやっていた老主人は、ハッと目を覚し、わしの異様な姿を見て、あっけにとられた体だ。

白木綿の経帷子は、襦袢だと云えば、それでも通る。わしは舟からおちて、着物を濡らして困っているのだと、妙な云い訳をして、古着を売ってくれる様に頼んだ。

海岸の古着屋には、そんな客が間々あるものと見え、相手はさまで怪しまず、一枚の古袷を出して呉れた。

「それはお困りでしょう。一時の間に合せなら、この辺の所で如何でしょう」

わしはその着物を見ると、情なくなった。

「なんぼ何でも、それじゃ、あんまり地味すぎるよ」