Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Leggi 白髪鬼 (はくはつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.046 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

朱凌谿

アア何ということだ。悪人共のこの美しさ、お人好し過ぎる程善人なわしのこの汚さ。

やがて、わしは浅間しさにガタガタ震え出した。美しきけだもの共の歓喜がわしを気違いにしたのだ。わしは声なき声を上げて泣いた。闇の大空に拳をうち振って、じだんだを踏みながら、神を呪った。

朱凌谿

その翌日、わしは長崎通いの定期船に乗り込んで、S市を離れた。

一夜を泣き明かし、呪い明かし、考えあかして、わしは遂に復讐の大決心を立てたのだ。

悪人共は悪人なるが故に、益々美しく、愈々幸福だ。わしは善人なるが故に、益々醜く、しかも不幸のどん底に突きおとされた。こんな不合理なことがあるものか。最早神も頼むには足らぬ。わしはわしの力で彼等に天罰を加えてやるのだ。それも、決して並々の天罰ではない。

ただ彼等を罰するのなら、ちゃんと国家の法律というものがある。わしは裁判所に申出て、彼等を罰し、わしの財産を取戻すことが出来るのだ。

だが国家の刑罰というものは、如何なる極重悪人に対しても、なるべく痛くない様に首を絞めて、くびり殺すのがせいぜいだ。それ以上の刑罰はない。わしが墓穴の五日間に味った様な、僅な日数の間に漆黒の頭髪が一本残らず白髪になる様な、そんな残酷な刑罰があるものではない。